2013年06月25日

イヴォンヌの香り


パトリス・ルコント監督の映画、イヴォンヌの香り。
ここ最近、一ヶ月か、もっとかわかりませんが
その映画の場面が時折頭をよぎり、気にかかっていました。

私が好きなその美しい場面です。

 
彼女は、私の想い出に、といって彼に渡します。 
船を降りる時、彼は、これを海に流せば想い出は君自身だけになる
そういって海に捨てます。

イヴォンヌを愛したもうひとりの年配の男性
ここでシルクのネクタイは締め難いと言って
イライラしている黄色のジャケットの男性です。

 

この二人は彼女を愛したのです。
若い男性は伯爵です。
イヴォンヌは伯爵と結婚すると言っていた。
でも、彼が彼女が女優になるように本気でアメリカへいこうとすると
彼の元を去ります
その日暮らししかできない彼女。

先日、役者さんでもあり今はエンターテイナーな歌手として活動する
竹中悠真さんに、アーサー・ミラーのセールスマンの死という
戯曲がとても良くて、好きだと伺い読んでみました。
アーサー・ミラーは一時期マリリン・モンローの夫でもありましたね。
その戯曲に登場するセールスマンの息子ビフ、彼はルックスは魅力的でしたが、
仕事がつづかず転々と仕事をかえ、34歳でも職が定まらず実家に戻っています。
自殺寸前の父親と対面することで、ビフは自分の人生がなぜこうであったか
急に思い当たるのです。
彼はそこに幻をみていたのです、自分ではない自分を。
そんなはずではないと、いつも何も努力もせず生きて何かが自分を大物にすると
勘違いしていたことに気づくのです。
イヴォンヌは、努力のできない女性、その若さと美しさで
受け入れてくれる自分を認めてくれる男性の元でこそ、その弱い心を
保って生きているのでしょう
この2つが自分のなかで繋がって、色々なことに想いを馳せました。

私の周りには、イヴォンヌのような女性をほんとうに愛する人はいないかもしれない。
自分を磨いて頑張る女性を好きな男性が多いように思います。
でもある意味、彼女のままで愛してくれる男性がいるのは素晴らしいと思う。
何かそこになくても、ただ愛してくれること。シンプルに。
とはいっても、イヴォンヌの美しさは男性を幸せにするでしょう
男性がそこに財力というものを持っていたなら幸せを続けることもできるかも。。
そして何も彼女に望まなければ....
彼女は、この二人の男性の元を離れて、コンテストで出会ったやり手の
男性の元へ行ってしまいます
自分を美しいと思い、そのままでいて心地よくさせてくれる相手の元へ。
イヴォンヌのこういう浮き草のようなその場限りの生き方も、わかるんです。
踏み出すのも怖いし、ほんのちょっと何かになれる夢見心地の気持ちのまま気楽に生きていたい。
この若い伯爵をイヴォンヌは愛していたと映画のなかでわかります
年配のほうの男性はイヴォンヌの側にいることでの愛を失い、
結局は伯爵の目の前で自殺します。

人の人生を切り取ると、こんな場面がどこかにあります。
とりとめのない終わる事のない幻のようなものが自分のなかに残る映画でした。
美しく、儚く。
パトリス・ルコント監督の映画、好きです。

ずっと前に観たことも懐かしく、
私にとっては懐かしい気持ちを思い出すそんな映画です。



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mikiviolin at 23:42│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 映画・エンターテイメント 

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